西行 山家集 上巻 春 40 7021

柴のいほに とくとく梅の 匂いきて やさしき方も ある住家哉
しばのいおに とくとくうめの においきて やさしきかたも あるすみかかな

<私が考えた歌の意味>
柴で屋根を葺いた粗末な家なのに、早々と梅の香りがしてくる。
風流な趣のある家なのだなあ。

<私の想像を加えた歌の意味>
庭もない造りの粗末な庵に入った。
庵に入ってみると、早速どこからともなく梅の香りがしてくる。
つまらない家だと思っていたのに、なかなかに風雅な味わいもある所だ。

<歌の感想>
 梅の花も、梅の匂いの出どころも描かれていない。描いているのは、粗末な仮住居だ。それでいながら、確かに梅の匂いを感じることができる。