万葉集 巻一 78

飛ぶ鳥の 明日香の里を 置きて去なば 君があたりは 見えずかもあらむ
とぶとりの あすかのさとを おきていなば きみがあたりは みえずかもあらん

<私が考えた歌の意味>
ここからもっと進むと、明日香の里を離れてしまう。
もう、あなたがいらっしゃる所はすっかり見えなくなってしまうでしょう。

<私の想像を加えた歌の意味>
新しい都を目指して、旅路を進む。
長年住み慣れた旧都明日香の里からはずいぶんと離れてしまった。
この旅は続けねばならないが、これ以上明日香を離れてしまうのは、悲しい。
あなたと一緒に暮らした里の辺りもまったく見えなくなってしまうでしょうから。

<歌の感想>
 遷都の事情や、「君」と作者との関係など、いろいろと気になる。作品の背景については諸説ある。しかし、推測しかできないので、題詞と短歌の表現の範囲で歌の意味をとらえてみた。

 口訳萬葉集 折口信夫の訳が味わい深いので、引用する。
 住み慣れた飛鳥の里を、後にして行つてしまつたら、戀しい人の住む家のあたりも、見えなくなつてしまふであらう。