万葉集 巻一 75

宇治間山 朝風寒し 旅にして 衣貸すべき 妹もあらなくに
うじまやま あさかぜさむし たびにして ころもかすべき いももあらなくに

<私が考えた歌の意味>
宇治間山は朝の風が寒い。
旅の途中なので、衣を着せてくれる妻もいない。

<私の想像を加えた歌の意味>
家にいたなら、今朝のように寒い朝は、妻が衣をかけてくれただろうに。
旅を続けているので、妻はいない。
宇治間山の今朝の風の寒さが身に染みる。
一刻も早く家に戻りたい気持ちが増してくる。

<歌の感想>
 旅先で、家のことを恋しく思う歌の類型の一つのように感じる。作者が実際に寒さを感じているのに、誰も世話をしてくれないことを表現しているとは受け取れない。地名と気象と旅先の気持ちの調和がとれている所に、この歌の良さがあると思う。