万葉集 巻一 73

我妹子を 早み浜風 大和なる 我松椿 吹かざるなゆめ
わぎもこを はやみはまかぜ やまとなる われまつつばき ふかざるなゆめ

<私が考えた歌の意味>
家に残してきた妻に早く会いたい。
浜風よ、大和の私の家の松や椿に吹かないでくれ。

<私の想像を加えた歌の意味>
早く大和に戻って、妻に会いたい。
ここでは、浜風が強く吹いている。
早い浜風よ、私が帰る前に大和まで至らないでくれ。
浜風よ、私を待っている家の松や椿を吹き荒らさないでくれ。

<歌の感想>
 歌の意味をはすっきりとは伝わってこない。風と大和の家との関係がぼんやりとしている。それよりは、「早み」が早く見たい意味と、早い意味、「松」が、松と待つの掛詞になっている面白さの方が重要なのであろう。