石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

浅草の凌雲閣(りょううんかく)のいただきに
腕組みし日の
長き日記かな

<私の想像を加えた歌の意味>
あの日は浅草の凌雲閣の最上階に上った。
そこで、腕組みをして下を見下ろした。
まるで、私が眼下の全ての上に立ったように。
その日の日記には、昂揚した私の思いが長文で書かれている。