万葉集 巻一 54

巨勢山の つらつら椿 つらつらに 見つつ偲はな 巨勢の春野を
こせやまの つらつらつばき つらつらに みつつしのわな こせのはるのを


<私の想像を加えた歌の意味>
ここ巨勢山では椿の葉が幾重にも茂っています。
この秋の椿を、幾度も眺めてください。
眺めていると、巨勢山の春の野に椿の花が咲くのが浮かんでくるでしょう。

<歌の感想>
 題詞から秋の作と分かる。「つらつら」の音の重なりが当時の人々にはおもしろかったのであろう。「つらつら椿」を「幾重にも茂って」、また、「つらつらに」を「幾度も」として、意味を考えてみた。