石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

しつとりと
水を吸ひたる海綿(かいめん)の
重さに似たる心地(ここち)おぼゆる

<私の想像を加えた歌の意味>
海綿にたっぷりと水を吸わせる。
水を含んだ海綿をそっと持ってみる。
軽かった海綿が意外なほど重くなった。
私の気分も沈んでいる。
まるで、水をしっとりと含んだ海綿の重さのように。