石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

空寝入(そらねい)り生欠伸(なまあくび)など
なぜするや
思ふこと人にさとらせぬため

<私が考えた歌の意味>
眠くもないのに寝たふりや、わざとするあくびなどをどうしてしてしまんだろう。
自分の思っていることが人にばれないように、カモフラージュしているに決まっている。

<歌の感想>
 これも啄木の人間観察の一端か。こんなことを短歌にするなんて驚く。
 啄木自身も寝たふりや生あくびをするし、他人のそれを見ても同じ理由だろうと思っている様子が浮かんでくる。  

 有名ではないが、これは実際のいろんな場面で思い出しそうな作だ。日常のふとした場面で浮かんでくる短歌があるのはよいものだ。