万葉集 巻一 39 柿本人麻呂

山川も 依りて仕ふる 神ながら 激つ河内に 船出せすかも
やまかわも よりてつこうる かんながら たぎつこうちに ふなでせすかも


<私が考えた歌の意味>
山も川もすべてが天皇にお仕えしている。
その天皇が、急流渦巻く流れに、船出をなさる。

<歌の感想>
 柿本人麻呂は、宮廷に出入りし、天皇やその係累の人々の実際の様子を近くで見聞きする機会も多かったのであろう。
 現代人からは、想像もできないような尊敬の念と服従の習慣を天皇に対して持っていたと思う。そうでありながも、人としての天皇の行為と、皇位継承の争いを見ていたと思う。
 長歌38では、いろいろな面から天皇を讃えている。しかし、反歌39では、天皇が今まさに船出をなさるとそれのみを描いている。初句から三句までは、修辞が目的であると感じる。本来なら結びつかない形式的な修辞と事実が無理なく結合して一首が成り立っていると感じる。
※以前の記事を改めた。