石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

ダイナモの
重き唸(うなり)のここちよさよ
あはれこのごとく物を言はまし

<私が考えた歌の意味>
ダイナモが回転する重厚な音が気持ち良い。
ああ、この回転する低い唸り音のように、一定の調子で揺るぐことなく物を言ってみたい。

<歌の感想>
 常に揺れ動き、物事を繊細に感じ取る啄木にとって、発電機の機械音が、対極にあるものとして意識されたのであろう。
 自己の繊細な感情を持て余し、その対極にあるようなものにあこがれる心情は、他の作品にも描かれている。