石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

真剣(しんけん)になりて竹もて犬を撃(う)つ
小児(せうに)の顔を
よしと思へり

<私が考えた歌の意味>
真剣になって、竹で犬を叩いている。
その子の顔を見て、その子の真剣さをよしと思った。

<歌の感想>
 犬を題材にした啄木の歌は、おもしろい。この作も、犬をいじめてはいけないという常識を覆している。だからといって、啄木が犬嫌いであるとは思わない。
 この短歌中の小児は、弱い犬をいじめているとは想像できない。犬を怖がっているのだが、負けまいと竹を真剣になって振り回している小児が目に浮かぶし、それを見つめながら、小児を叱るわけでも助けるわけでもない作者を感じる。
 もちろん、小児か犬のどちらかが傷つきそうになったら、啄木は止めると思う。