石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より

なみだなみだ
不思議なるかな
それをもて洗へば心戯(おどけ)たくなれり

<私が考えた歌の意味>
なみだは不思議だ。
泣いて泣いて、なみだなみだの時を過ごす。
そうするうちに、なみだが心を洗うので、おどけたい気持ちになってきた。

<歌の感想>
 この短歌は、『一握の砂』の25番目の作だ。25首の中で、作者の行為としての「泣く」「なみだ」の語があるのが、6首だ。
 『一握の砂』は、なみだの歌集だ。