万葉集巻一 8 の左注を正しいとするならば、8の作者は額田王ではなくなる。
 また、今までの注釈では、舟遊びとしたり、軍船の出航としたり、様々だ。
 原文のことばがきや左注を歴史上のできごとと照らし合わせて、正しく読もうとするならば、できる限り多くの資料に当たるべきだ。
 私の場合は、そういう読み方を目指してはいない。もちろん、読みを深めるための資料があれば、それは大いに参考にする。だが、作品のイメージを膨らませるにふさわしい資料だけを参考にするという気ままなものでしかない。
 
 この作品について今までの解釈のいくつかも読んだが、自分の感覚として次のように受け取った。
 8の作は、額田王のものであろう。
 船出は、作者も乗り込む船で、夜間の海路の航行と想像した。根拠はない。そういう背景と受け取ると、作品の情景と作者の心情を思い描きやすいというだけだ。