万葉集 巻一 8 額田王

熟田津に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎいでな
にきたつに ふなのりせんと つきまてば しおもかないぬ いまはこぎいでな


<私が考えた歌の意味>
熟田津で船の出航を待っていると、月も出て船出の条件がそろった。
潮の具合もよく、今こそ船を出しましょう。

<私の想像を加えた歌の意味>
夜の船旅は月明かりがなくてはと船頭が言うので、月の出を待っていました。
おりよく月がこうこうと海面を照らすようになりました。
波も穏やかで、船旅にふさわしい夜です。
さあ、漕ぎだしてください。

<歌の感想>
 作者がおかれている状況、その時の天候景色、作者の心情、そのすべてを思い描くことができる。
 「月待てば潮もかなひぬ」で変化していく景色と周囲の人々の動きまで表現できているのは、やはり名作だと感じる。