万葉集のかたわらにキーボード

万葉集を中心に、古典から近代まで和歌、短歌を気の向くままに読んでいます。記事は、原文に忠実な現代語訳や学問的な解釈ではありません。私なりにとらえた歌の意味や、歌から思い浮かぶことを書いています。

万葉集 巻一 67旅にして もの戀しきに、家言も 聞こえざりせば 戀ひて死なましたびにして ものこいしきに いえごとも きこえざりせば こいてしなまし口訳萬葉集 折口信夫 より 旅に出て居て、故郷のことが気にかかる時分に、家からのたよりが来た。もしこんな時に…
>>続きを読む

朝日新聞夕刊2017/2/8 二月の言葉 広坂 早苗屋上に雪の聖岳(ひじり)を見て戻る午後の事務所(オフィス)の小さき業務に<感想> 作者とともにふっと心を緩ませることができた。 近くの数字ばかりを見続けていた目を遠くの雪山にやる。ビルの屋上から望める聖岳は、別
>>続きを読む

万葉集 巻一 66大伴の 高師の浜の 松が根を 枕き寝れど 家し偲はゆおおともの たかしのはまの まつがねを まくらきぬれど いえししのわゆ<私が考えた歌の意味>大伴の高師の浜の松の根元で寝ようとしている。ここは風光明媚な所だけれど、思うのは家のことばかり
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より友よさは乞食(こじき)の卑しさ厭(いと)ふなかれ飢ゑたる時は我も爾(しか)りき<私が考えた歌の意味>友よ、そんなに自分をいやがるな。まるで、乞食のように卑しいなどと思うな。食うに困れば、私だって乞食のようなことを
>>続きを読む

万葉集 巻一 65霰打つ 安良礼松原 住吉の 弟日娘と 見れど飽かぬかもあられうつ あられまつばら すみのえの おとひおとめと みれどあかぬかも<私が考えた歌の意味>安良礼松原の景色を、住吉の弟日娘と一緒に見ている。いくら見ていても飽きることがない。<私の
>>続きを読む

万葉集 巻一 64葦辺行く 鴨の羽がひに 霜降りて 寒き夕は 大和し思ほゆあしへゆく かものはがいに しもふりて さむきゆうへは やまとしおもおゆ<私が考えた歌の意味>葦の水辺に浮かぶ鴨の羽の合わせ目に霜が降りている。こんな寒い夕べは、大和のことが一段と思
>>続きを読む

2016/7/31の記事を改めた。東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむる<私が考えた歌の意味>東海の小島の磯に来た。心は悲しみに満ちている。悲しみの心のまま、白砂の上で、私は蟹とたわむれる。<私の想像を加えた歌の意味>ここは東海の小島の磯。磯の白砂で一人
>>続きを読む

万葉集 巻一 63 山上憶良いざ子ども 早く大和へ 大伴の 御津の浜松 待ち恋ひぬらむいざこども はやくやまとへ おおともの みつのはままつ まちこいぬらん<私が考えた歌の意味>さあ、皆の者、早く大和へ帰ろうではないか。大伴の御津の浜松が、私たちの帰りを待
>>続きを読む

万葉集 巻一 62ありねよし 対馬の渡り 海中に 幣取り向けて はや帰り来ねありねよし つしまのわたり わたなかに ぬさとりむけて はやかえりこね<私が考えた歌の意味>船を進めて、対馬海峡を通る際には、旅の無事を祈って神への供え物をなさってください。神のご
>>続きを読む

万葉集 巻一 61ますらをの さつ矢たばさみ 立ち向かひ射る 的形は見るにさやけしますらおの さつやたばさみ たちむかいいる まとかたはみるにさやけし<私が考えた歌の意味>的形という地名の的は、武人が矢を手に挟んで、射ようと向かっている的とつながりがある。
>>続きを読む

A    東海の小島の磯の白砂にわれ泣きぬれて蟹とたはむるB    大海にむかひて一人七八日泣きなむとすと家を出でにきC    わが泣くを少女等きかば病犬の月に吠ゆるに似たりといふらむD    ただひとり泣かまほしさに来て寝たる宿屋の夜具のこころよきかな 「
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりただひとり泣かまほしさに来て寝たる宿屋の夜具のこころよきかな<私が考えた歌の意味>一人になって泣きたいだけだ。そのために旅に出て、この宿で寝る。一人で寝る宿の夜具が心地よい。<私の想像を加えた歌の意味>以前から一
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりおほどかの心来(きた)れりあるくにも腹に力のたまるがごとし<私が考えた歌の意味>心の内がおおらかになっている。歩いていても、腹に力が入りしっかりとしているようだ。<私の想像を加えた歌の意味>理由はわからぬが、のび
>>続きを読む

石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より心より今日は逃げ去れり病ある獣のごとき不平逃げ去れり<私が考えた歌の意味>心の中から今日は逃げ去った。病に罹った獣のような不平が逃げ去った。<私の想像を加えた歌の意味>今日の精神状態は平生と違う。いつもいつも私の
>>続きを読む

万葉集 巻一 60 宵に逢ひて 朝面なみ 名張にか 日長き妹が 庵せりけむ よいにあいて あしたおもなみ なばりにか けながきいもが いおりせりけん <私が考えた歌の意味>妻が旅に出てから、もうずいぶんと日数が経った。旅先の妻は、今頃は名張の辺りで仮の小屋に
>>続きを読む

万葉集 巻一 59流らふる われ吹く風の 寒き夜に わが背の君は ひとりか寝るらむながらうる われふくかぜの さむきよに わがせのきみは ひとりかねるらん<私が考えた歌の意味>留守を守っている私に寒い風が吹いてくる夜です。旅先の大切なあなたは、風の吹く寒い
>>続きを読む

万葉集 巻一 58いづくにか 船泊てすらむ 阿礼の崎 漕ぎたみ行きし 棚なし小舟いずくにか ふなはてすらん あれのさき こぎたみいきし たななしおぶね<私が考えた歌の意味>阿礼の崎を漕ぎめぐっていたあの小舟は、今ごろは、どこの海岸に着いたろうか。<私の想像
>>続きを読む