万葉集のかたわらにキーボード

万葉集を中心に、古典から近代まで和歌、短歌を気の向くままに読んでいます。記事は、原文に忠実な現代語訳や学問的な解釈ではありません。私なりにとらえた歌の意味や、歌から思い浮かぶことを書いています。

万葉集 巻一 76ますらをの 鞆の音すなり もののふの 大臣 盾立つらしもますらおの とものおとすなり もののうの おおまえつきみ たてたつらしも<私が考えた歌の意味>弓を持つ勇ましい人々の鞆の音が聞こえてきた。軍を指揮する人が盾を立てているのであろう。<…
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万葉集 巻一 75宇治間山 朝風寒し 旅にして 衣貸すべき 妹もあらなくにうじまやま あさかぜさむし たびにして ころもかすべき いももあらなくに<私が考えた歌の意味>宇治間山は朝の風が寒い。旅の途中なので、衣を着せてくれる妻もいない。<私の想像を加えた歌
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西行 山家集 上巻 春 39 7020梅が香を 谷ふところに 吹きためて 入りこん人に しめよ春風うめがかを たにふところに ふきためて いりこんひとに しめよはるかぜ<私が考えた歌の意味>春風よ、梅の香りを谷中に吹き広げてくれ。その風で、この谷を訪れてくれる
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万葉集 巻一 74み吉野の 山のあらしの 寒けくに はたや今夜も 我がひとり寝むみよしのの やまのあらしの さむけくに はたやこよいも あがひとりねん<私が考えた歌の意味>吉野の山は嵐で、寒い風が吹きつけてくる。こんな夜なのに、今晩も私は一人で寝るのだろう
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山家集 上巻 春 38 7019主いかに 風わたるとて いとふらん 餘所にうれしき 梅の匂をぬしいかに かぜわたるとて いとうらん よそにうれしき うめのにおいを<私が考えた歌の意味>隣の僧坊の主人は、梅が散ってしまうと風が吹くのをどうして嫌うのか。隣に住む私
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万葉集 巻一 73我妹子を 早み浜風 大和なる 我松椿 吹かざるなゆめわぎもこを はやみはまかぜ やまとなる われまつつばき ふかざるなゆめ<私が考えた歌の意味>家に残してきた妻に早く会いたい。浜風よ、大和の私の家の松や椿に吹かないでくれ。<私の想像を加え
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石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 よりいのちなき砂のかなしさよさらさらと握れば指のあひだより落つ<私が考えた歌の意味>(1回目 2016/817)砂を握ればさらさらと指の間から落ちていく。生命をもたない砂はかなしい。<私の想像を加えた歌の意味>(1回目 2016/8/
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万葉集 巻一 72玉藻刈る 沖辺は漕がじ しきたへの 枕のあたり 忘れかねつもたまもかる おきへはこがじ しきたえの まくらのあたり わすれかねつも<私が考えた歌の意味>舟遊びをしないでおこう。妻のことばかり思い出されるので。<私の想像を加えた歌の意味>み
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朝日新聞夕刊2017/2/8 二月の言葉 広坂 早苗水仙は八頭身の少女にて風の日の丘にひとり咲きたり<感想> 春を感じるとはいえ、まだ外の風は寒い。身をすくめながら、ふっと見上げると、見上げた先に水仙の花が見える。あのすっきりと伸びている水仙をどう表そうか、作者
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万葉集 巻一 71大和恋ひ 眠の寝らえぬに 心なく この洲崎廻に 鶴鳴くべしややまとこい いのねらえぬに こころなく このすさきみに たずなくべしや<私が考えた歌の意味>洲崎の辺りから鶴の鳴き声が聞こえる。大和のことが恋しくて眠りにもつけない。私の心も考え
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朝日新聞夕刊2017/2/8 二月の言葉 広坂 早苗氷点下十五度の街に住む息子凍ったのだろうメールも返らず<感想> 息子の勤務地か、学校の所在地が寒い地方なのだろう。海外かもしれない。心配でたまらないというよりも、ちっとも便りを寄こさないことに、少々腹を立ててい
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万葉集 巻一 70大和には 鳴きてか来らむ 呼子鳥 鳥象の中山 呼ぶびそ越ゆなるやまとには なきてかくらん よぶこどり きさのなかやま よびそこゆなる<私が考えた歌の意味>大和の私の妻と子は、呼子鳥が鳴きながら飛んで来たと思うだろう。今は私のいるきさの中山
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朝日新聞夕刊2017/2/8 二月の言葉 広坂 早苗きさらぎの空はどこかが破れいて照りながらふる雪のかそけさ<感想> まさに、昨日今日の空模様だ。ただし、私の住むのは雪国なので、如月の雪はまだかそけしとはいかない。 表現にはないが、過疎地の風景でも山中の気象でも
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万葉集 巻一 69草まくら 旅行く君と 知らませば 岸の羽生に にほはさましをくさまくら たびゆくきみと しらませば きしのはにゅうに におわさましを<私が考えた歌の意味>旅へ行くあなたと知っていたならば、やってあげたいことがありました。それは、住吉の岸の
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与謝野晶子 『みだれ髪』 臙脂紫 より秋の神の御衣(みけし)より曳く白き虹ものおもふ子の額に消えぬ<私が考えた歌の意味>秋の神の衣装が曳いている白い虹。その虹は物思う乙女の額に消えていく。<私の想像を加えた歌の意味>秋を司る神がやって来たようだ。秋の神の
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万葉集 巻一 68大伴の 御津の浜なる 忘れ貝 家なる妹を 忘れて思へやおおともの みつのはまなる わすれがい いえなるいもを わすれておもえや<私が考えた歌の意味>大伴の浜に忘れ貝が落ちている。忘れ貝とは言うが、私が忘れることなどあるだろうか。家に残して
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朝日新聞夕刊2017/1/18 模索の果て 萩原 慎一郎 遅刻せぬよう走るのだ 鬣(たてがみ)をなびかせ走る馬のごとくに<感想> 作者は1984年生まれとあった。こういう年齢の人の感情がこんなに素直に伝わってくることが珍しい。真面目で不器用そうだ。真面目は、今は美徳で
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