石川啄木『一握の砂』「我を愛する歌」 より
友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
花を買ひ来て
妻としたしむ
<私が考えた歌の意味>
友達がみんな、私よりもえらく見える日がある。
そんな日は花を買って家に帰る。
その花を妻と眺め睦まじく過ごす。
<私の想像を加えた歌の意味>
なぜだろうか。
友人が皆、私よりも優れていると思わされる日があった。
普段は、そういうことはしないのに、花を買って帰った。
妻と花を眺め、静かに過ごした。
私は、友達の誰よりも才能も能力ないと感じる日に。
<歌の感想>
この一首だけを読むと、世間の競争に疲れた作者が家庭に憩いを求めて、そこに幸福を感じているととらえることができる。
歌集「一握の砂」の中の一作品として見ると、やや違った感想が湧いてくる。啄木があらゆる面で、人よりも自分がえらくないと思い続けるだろうか。啄木が、花を買って来て、妻と仲良く暮らすことに満足し続けるであろうか。そんなことはないと思う。
この短歌が表現している気持ちになることもある。この短歌に描かれている夫婦の時間を過ごすこともある。しかし、それはむしろ稀なことだという作者の思いを感じる。
だからこそ、この一首が、嵐の後の晴れ間のような特別な穏やかさを感じさせるのだと思う。
友がみなわれよりえらく見ゆる日よ
花を買ひ来て
妻としたしむ
<私が考えた歌の意味>
友達がみんな、私よりもえらく見える日がある。
そんな日は花を買って家に帰る。
その花を妻と眺め睦まじく過ごす。
<私の想像を加えた歌の意味>
なぜだろうか。
友人が皆、私よりも優れていると思わされる日があった。
普段は、そういうことはしないのに、花を買って帰った。
妻と花を眺め、静かに過ごした。
私は、友達の誰よりも才能も能力ないと感じる日に。
<歌の感想>
この一首だけを読むと、世間の競争に疲れた作者が家庭に憩いを求めて、そこに幸福を感じているととらえることができる。
歌集「一握の砂」の中の一作品として見ると、やや違った感想が湧いてくる。啄木があらゆる面で、人よりも自分がえらくないと思い続けるだろうか。啄木が、花を買って来て、妻と仲良く暮らすことに満足し続けるであろうか。そんなことはないと思う。
この短歌が表現している気持ちになることもある。この短歌に描かれている夫婦の時間を過ごすこともある。しかし、それはむしろ稀なことだという作者の思いを感じる。
だからこそ、この一首が、嵐の後の晴れ間のような特別な穏やかさを感じさせるのだと思う。